金星の日面通過
2012年6月6日
5p700o屈折 直焦点撮影によるアニメ (2012年7月2日up)
以前から太陽を撮る時の主砲として使ってきた古式ゆかしいタカハシの5p f=700o
アクロマート屈折で、直焦点撮影をしました。
当日は、台風が東海〜関東の太平洋沖を通過中で、東日本は雲に覆われていました。
夜更けまで、インターネット天気予報のネットサーフィン。私の地元は「晴れる」というサイトと、「曇り」というサイトの両方があります。
どっちが正しいのか?台風の影響が去った西日本は、「台風一過」なのでしょう、天気図を見る限り雲が全くかかっていません。
明日の朝起きてみて、晴れていたら地元で、晴れていなかったら車で西を目指そう(ただし、その時は第1〜第2接触は撮影をあきらめ
ねばなりませんが)、そう言う結論に達しました。
もし、西へ行くとしたら、どこまで行けばいいのか?再びネットサーフィン、開始。すべてのお天気サイトで、ほどほどの時間帯から
「晴れ」予報になっていて、かつ家から最も近そうな場所をひたすら探しました。ようやく見つけたのは、岐阜県の美濃市。
この時点で午前3時、あと2時間しか寝る時間がありません。横になっても寝付けぬまま、5時が来ました。
起き出して、家の外へ出てみると空は曇っています。遠征決定!眠いなどと言っておれません。第1接触は断念やむなしですが、
大きな作戦に犠牲はつきもの、非情の決断が勝利をもたらすのだ!?
高速道路で西を目指します。2週間ほど前に金環日食を見たあたりで、雲の切れ間からかすかに日が射してきました。
やっぱり西へ向かって正解とばかり、アクセルを踏み続けます。(実は、このあたりは、第1〜第2接触が雲間から見えたそうです)
日本有数の長さを誇る恵那山トンネル。「県境の長いトンネルを抜ければ、そこは快晴」と期待したのですが、全然ダメ。まあ、これは
昨夜のインターネットの天気予報で織り込み済みなので、さらに西を目指します。
7時10分過ぎ、第1接触の時間です。パーキングエリアに車を止め、空を見上げますが、相変わらずの曇天。まあ、西へ向かうと決めた
時点で、第1接触の撮影は無理だと覚悟していましたから、これは想定の範囲内。さらに西を目指します。進むにつれて、雲の色が
次第に白くなってきます。そして、ついに!その雲の隙間から!パステルカラーの青空が見え隠れするようになってきました!
岐阜県の美濃インターに到着。あの有名な長良川の堰堤上に恰好の場所を発見、ここで金星日面通過を撮影することにしました。
空の2/3ほどをおおっていた雲は、どんどん東に流れ去って行き、西から晴れ間が広がってきます。天気予報通り!
金星日面通過は時間がたっぷりあるから、と鷹揚に構えて機材の組み立てに1時間以上を要し、ずいぶん遅くなって撮影を開始。
少し雲は出たものの、おおむね好天に恵まれ、通りがかりの十数人に望遠鏡で日面通過を見てもらう余裕を示しつつ、私は桜の
木の下に置かれたベンチで涼みながら、快適に撮影を続けました。
しかし、さあ、いよいよハイライトの第3接触、と言う頃から強風で視野内の太陽像がブルブル震えてきました。えらいこっちゃ、
シャッタースピードを速くしなくてはと、デジタルカメラのISO感度設定を高くしました。こういうところは、銀塩カメラにはまねできない、
デジタルの優れたところです。アニメの途中、第3接触少し前に、太陽面が急に明るくなりますが、それが感度を上げた時ですので、
ご理解いただきたく。
第3接触も過ぎ、金星との別れを惜しもうとしていると、次々と雲がやって来て、金星が半分ほど太陽から抜け出したあたりで完全に
雲で見えなくなってしまいました。望遠鏡から離れ、天を仰ぎます。
まあ、これも、日頃の行いの悪さと言うことでありましょう。なにごとも、日頃の精進が大切と知った金星日面通過でした。
画面の上側が、天の北極方向
日面通過中は、アニメの1秒は、実際の時間の5分に相当します。第3接触近くからは1秒=1分としています。
パソコンの能力やネットの通信速度によっては、動きがカクカクすると思います。
画面が黒くなるときは、雲がかかっていて、太陽が見えない時です。
反省:@前夜のうちに、晴天域まで移動しておけば、最初から最後まで、日面通過の過程を観察できたことでしょう。 (仕事中で、晴天域を探している時間が取れなかったし、天気予報も諸説あって、決断できなかっただろうけれど) A前夜、帰宅せずに職場から晴天域へ直接移動するためには、日頃から家族の信頼と理解を勝ち取っておく必要があります。 何事も日頃の精進が大切です。 B機材の組立ては、迅速に! C北極星の見えない状況での極軸合わせの練習をしっかり積んでおきましょう。 |
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